ミレニアル世代の沈黙

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ミレニアル世代が想う、人生100年時代の生存戦略

私は現在20代後半で、この後社会で約30年の勤労(国民の義務)が待っている。
しかし時代は変わっていて、最後まで勤め上げたとして65歳から100歳まで35年という長いロスタイムが待っている。
※正式な総務省の発表だと2050年で男性84.02歳、女性90.40歳とされている。(出典:2050年以降の世界について

そんなロスタイムの生存戦略を考えていきたいと思う。

そもそも人生100年時代とは?

2014年頃からAIや機械学習が盛り上がりを見せているなかで、幾度も話題になったのがシンギュラリティであり、その影響は医療分野にも大きく現れる事から寿命が急速に伸びるとされて提唱されている理論である。

実際に提唱しているのは、ミチオ・カクという著名な理論物理学者でNHKスペシャルで特集した事から日本でも話題になったと思われる。 (出典:寿命は100歳へ!理論物理学者が語る近未来

更にその後LIFE SHIFTなどの書籍の影響もあって、人生100年時代というのがホットワードとなっている。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

リタイア後に必要な資金

100年時代を迎えるにあたり、定年後に100歳まで生きると仮定して必要な資金を計算してみる。

まず参考にしたのは、 総務省統計局が発表している家計調査年表で、その調査によると65歳以上の2人以上世帯では249,060円が平均的な月額の支出額とされている。(出典:家計調査年報(家計収支編)平成28年(2016年)

上記を踏まえ月々25万必要と考えると、年間で300万必要という計算になり、それが35年続くと考えると、1億500万にも膨れる。

ただ忘れてはならないのが、この消費とはあくまで通常の生活を行う上での平均値であり、ここに病気での治療や自分の葬式代といったものは感情されていない。
つまり、1億500万というのはあくまでも最低ラインであり、これに加えて幾ばくかの余裕が必要である事は今回はおいておく。

1億500万の用意の仕方

次は、65歳以降で必要となる資金(=1億500万)をどう調達していくかを考察する。

まずいわゆる老後の資金としては下記の選択肢が考えられる。

  • 貯蓄による備え
  • 年金
  • 資産による不労所得
  • 就労による報酬

まずは、一旦一つ一つに絞って実行した場合には今からどのような動きが必要かを考えてみる。

貯蓄による備え

全額を貯蓄で賄おうとすると、30歳から65歳までの35年間で1億500万をためるとなると、年間で300万の貯蓄が必要となる。
これは老後の生活資金にまるっきり相当するもので、単純に考えても現在の生活費分をまるっきり貯蓄する必要があるという酷な状況なのがわかる。

もし律儀に考えると可処分所得が、最低でも600万は必要となり年収にすると800万以上は必要になる。
つまり貯蓄だけで賄おうとすると、少なくとも30歳で年収800万を超える必要があり、平均年収が450万程度である事を考えると倍近い収入がないと実現できない事になる。

という事で貯蓄だけでどうにかできる程世の中甘くないので、他の手段との組み合わせで1億500万を用意してみたいと思う。

年金

年金自体貰えなくなる可能性があるとメディアでは大きく取り上げていたが、実情としては運用益もしっかり出しているので額が少なくなったり、受給開始年齢の引き上げが行われる事があってももらえないという事はない想定で考える。

現在の平均はだいたい15万程度という事なので、まぁ我々の受給タイミングでも10万はもらえると仮定し、その上で受給開始タイミングは5年繰り上げられ、70歳からの受給開始と仮定する。

そうなるとリタイア後70歳から100歳までの30年に渡り、月額10万の収入が増えるので総額3600万の受給が見込める。
当初予定の1億500万と併せて考えると、用意すべき額が6900万まで下がる事がわかった。
※ちなみに35年間で6900万貯蓄するとしても、年間年間約200万の貯蓄が必要となる。

資産による不労所得

今までの考察で貯蓄だけでは無理な事が見えてきたので、資産による不労所得でのカバーを考えていく。
基本的に年金はもらえるものと仮定して、ここからはあくまでも6900万をどう用意するかを考えていく。

資産の運用益の場合は、通常1年のサイクルで考えるので、70歳から100歳にかけて毎月15万分の利益(=年間で180万)を出せるように考え、利回りは波はあれど、安定的に年2%と仮定すると、9000万相当の資産が必要となる。

この分の資産をどうにか70歳までに作り上げる事ができれば、リスクはあれどなんとか運用益で食べていけるか算段がつく。

しかしこれでは当初予定の6900万よりも必要な額は上振れしていて、逆にハードルが高くなっているように見える。 だが実際毎年複利で資産を増やしていく事を目標にすれば、実は毎年150万ずつの資産追加で利回り2%を超えれば70歳では資産額が約9300万になる。

となると、年金+貯金の年200万よりハードルは低くなる事がわかる。
※もちろん相場品なので、ここまでうまくいく確証はどこにもないが、それは全て同じなので無視。

就労による報酬

最後にリタイア後も仕事を続ける事で、報酬を発生させる方法を考える。 この場合だと、資産での利回りがないと想定した場合月額で15万の報酬を得る必要がある。
※ちなみに年金受給が始まる前の5年間は25万全額必要。

一応毎年50万ずつ投資を行い、年2%の利回りで運用した場合には70歳時点で約3000万の資産となり、運用益が月5万程度出せると計算しても10万は稼がないといけなくなる。

つまり一般的なミレニアル世代は、65歳以降も働かなくてはならないというのが見えてくる。
そうなった時に、体力がない老人達としてどのように稼ぐのかを視野に入れたスキルセットを考えなければミレニアル世代は生き残る事ができない。

結論

老後の資金の工面について考えてみたが、結果として我々世代は悲観的シナリオ内とは言え、働かなくてはならない。
※もちろん働くとは、対価としての報酬を教授できる価値が提供できればなんでも良い。

そうなった時に果たして、この時代の流れが早いなか成長すべき30代をぬるま湯で過ごしていいのだろうか?
来るべき時に備えて武器を準備する必要がある。と私は思う。

その上で資産形成や年金など収入の多角化を図り、リスク分散しながらも現在の時間を武器にとってリバレッジを効かせていく必要があるのだろう。

なんとも世知辛い