ミレニアル世代の沈黙

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大企業では生え抜き社員が優秀という通説は本当か?

今回は世の中でよく聞く「生え抜き社員こそ優秀」という通説を検証したいと思います。
※なお今回の層としては経営層ではなく、現場層を想定しているので社長や社外取締役が云々というのは考えません!悪しからず。

というのも大手に就職した同期とかと飲むと、なんだかんでこの話が出て来るんですよね。 もちろん転職してる同期もいるし、それが悪いって話ではなく「優秀」っていう漠然とした価値観の共有が行われるというか。。。

で、そこに違和感を覚えたので、本当にそうなのかなって思ってちょっと考えてみました。

生え抜き社員の定義

まずは「生え抜き社員」ってどこを指すのかを決めます。 今回は下記条件を満たす人としていきます。

  • 新卒入社
  • 転職経験なし
  • 転籍経験なし(一時的な出向ならOK)

この条件を満たす人は生え抜き社員として定義し、なぜ優秀と言われるのかを考えます。

大手企業の採用方針

基本的に大手企業というか、新卒一括採用においてなんだかんだ重視されるものに「学歴」がある事は否定できないと思います。
※もちろん学歴でという話じゃない人もいるが、大多数は適用されるのは採用大学の偏りを見ればわかるかと。

つまり「新卒入社 = 高学歴」であるという構図が凡そ見る事ができるかと。
ここが1つ目のポイントかなと。

何故なら大企業と言われる会社では、基本的に終身雇用の考え方が色濃く残っており、一括採用した面々を教育して最終的に稼げる人材になって欲しいと考えているように見受けられます。
その為教育前提なので基礎能力が高い=高学歴として採用をしていると私は感じています。

つまり本当は「新卒入社 ≒ 高学歴 ≒ 基礎能力が高い」と見ているのでしょう。
もちろん応募総数もすごい事になるでしょうから、それなりの足きりはしょうがない面はあるにせよ、大手は「教育前提」の採用を行っていると言えるのではないでしょうか。

大手が中途採用をする理由

さて次に考えるのは、大手が中途採用する理由ですが、思いつく限りを書き出してみました。

  1. 不足人員の穴埋め
  2. 中途採用でダイバシティアピール
  3. 外部スキル獲得のため
  4. 低年収人材の確保(コスパのいい社員)

もちろんこの前提には、新卒採用の段階で将来の幹部候補含めて優秀な人材を確保しており、その面々を費用もかけて育てているという事実がないとできません。

その上で1個ずつ見ていきましょう。
まず1ですが、これはその場しのぎであれば、派遣社員で凌ぐ事が多い理由かと思います。
それでも採用するという事は明確にポストが空いて、且つそこにアサインできる他社員がいなかった時ですがかなり確率は低そうです。

次に2ですが、これはそれなりに一定数存在する採用枠だと思っています。

更に3ですが、これは大企業だと個人というより会社ごと買ってしまうケースの方が多いように見受けられます。
とは言え業界のトップクラス人材であれば、ない話ではないと思いますが今ならベンチャーとかの方が高給で引っ張っていくでしょうね。
逆に言えばこの採用をもっと増やしていかないといけないのではないかと。。。

最後に4ですが、正直これが本命です。
手塩にかけて育ててきた社員と同程度の能力で元年収が低い社員がいれば、コスパがいい社員として控えのつもりでも採用するのではないかなと。

と言うように、新卒一括採用でそれなりにアタリがついている大企業としては、中途採用を頑張るよりは新卒採用や育成にリソースを割くほうが効率的でかつ全体方針にも適しているように思えます。

生え抜き社員が優秀なのではなく採用していないだけではないか

一括採用を前提として、教育してきたメンバよりも優秀な人材を中途で確保するのは行動経済学的にも避けがちな行為に見えますし、そもそも現場レベルだと外注が頻発していて大切なのは会社の空気や風土を理解している事になってしまうとそもそも優秀な中途人材を確保する意味がありません。

そんな環境になると、結局将来性を見越していた新卒採用メンバも中途採用に危機感を覚えなくなり想定どおりの成長曲線を描かなくなるでしょう。

そして冒頭の会話になると、、、

本当に優秀な人材は何処へ?

大手が中途採用をする理由でもあげた3の「外部スキル獲得のため」この採用を行っている所に集まっていると考えています。

そしてそれが一番活発なのは、現在はベンチャー企業と見ています。
教育コストはかけられず、時間もない。そんな環境でこそ本当にスキルが必要とされて、別のコスト分含めての報酬を提示できる。

実際VCの資金流出は年々増加していますし、他社との取り合いになる事は必須なので、そこを渋っているようじゃ次のステージにいけないのでしょう。

と状況証拠しかないですが、色々考えてみると本当に優秀な人材というのは自分の力で対価を得られるベンチャーに集まっているのではないでしょうか?
そうなれば大企業に優秀な人が来ないわけで、そこから人材流動性が生まれない社内を見渡して優秀と言われるのは、当然「生え抜き社員」となるわけです。

つまり「生え抜き社員」だから「中途」だから、ではなく自分の成長できる環境に身を置き続けられた人が「優秀」となるんではないでしょうか。